木造・木質化への取り組み

当社は、2018年より林野庁のCO2削減への取り組みである「木材利用の拡大」推進を受けて、持続可能な社会の実現に向け、製造・加工に要するエネルギーが少なく、CO2排出量も少ない木材を利用した耐火木造建築の開発を行っています。

  

加えて、当社では、耐火木造建築で使用した建材のもととなる立木と同量の伐採・植林・下刈りを行う活動をしています。木は空気中のCO2を吸収し炭素を固定しながら成長するため、国土に木が豊富にあることはCO2の削減につながります。また、木材として伐採時期を迎えた木はCO2を吸収する能力が低下しているため、これらを伐採・製材し建材として利用する一方で新しい木を植えることにより、CO2をよく吸収する若い木が常に一定数存在する状態が保たれます。耐火木造建築への取り組みを通し、木を使う、植える、育てる、伐採することで森の循環を促進し、その結果としてCO2の削減や生物多様性の保全につなげていく取り組みを進めています。

木造建築への取り組み方針

広める
「木造建築シンポジウム2019」を開催

都市部での木材需要拡大に向けて、
木造建築の可能性を広めるため、シンポジウムを開催しました

「ウッド・チェンジ・ネットワーク」に加盟

⺠間建物等における⽊材利⽤促進に向けて林野庁が主催する懇談会に加盟しています

使う
「銀座8丁目開発計画」

日本初となる耐火木造12階建ての商業施設(木造と鉄骨造を組み合わせたハイブリッド構造)の開発を⾏っています

植える
「環境植林」の実施

森林サイクルの「使う」に加えて「植える」を実施

使う事例① : 銀座8丁目開発計画(耐火木造の商業施設)

当社の重点エリアのひとつである銀座において、日本初となる耐火木造12階建て(木造と鉄骨造を組み合わせたハイブリッド構造)の商業施設の開発を行っており、2021年10月の竣工を予定しています。

特徴

    新技術

    • 日本初となる耐火木造12階建商業施設
      低層での事例はあるものの賃貸ビルで11層以上の実例はない(2019年現在)

    環境面のメリット

    • CO2固定化の促進
      木材の使用量を高め、森林の循環(森林の健全化)に繋げることによる、CO2削減
    • 林業活性化(地方創生)
    • 建設時のCO2排出量削減
      構造部材製造時のCO2排出量削減(製鉄、鉄加工、コンクリート等製造時のCO2排出がなくなる)
    • 基礎の簡便化が可能
      上部構造(地上部分のフレーム)が軽量となるため、杭等の不要化を可能とする
    • 工期短縮が可能
      軽量、また工場で柱梁部材製造時に耐火性能を持たせる場合、耐火被覆が不要であるため、上部構造の施工が容易

    BCP対応

    • 補助高架水槽と汚水槽を設置し、災害時にも72時間在館者のトイレ使用と飲料水の確保を可能にする。
    • 非常用発電機を設置し、72時間対応可能にする。
    • 銀座地区であることを考慮し、高潮対応のため設備をできる限り上層階に設置し、1mまで防潮板で対応可能にする。

使う事例② : 木質化の推進

当社では、耐火木造建築の開発と並んで、開発物件において、用途や立地に応じて積極的な木質化(木材を外装・内装等に使用すること)を推進しています。
ヒューリックJP赤坂ビルでは、「働くひとにとってウェルネスな空間」をコンセプトとし、オフィスワーカーがより良い環境で働ける空間づくりに注力し、エントランスホールでは、天井高3.8mの全面木天井の開放感溢れる空間に木製のベンチや木棚を配置するなど、自然素材を多く取り入れた設えとしています。こうした取り組みが評価され、「CASBEE・ウェルネスオフィス」認証(主催:一般財団法人建築環境・省エネルギー機構)において、最高ランクのSランクを取得しました。

  • 建物利用者の健康性・快適性を支援する建物の仕様・性能・取り組みや知的生産性向上に資する要因、安全・安心の性能 を 評価する制度
  • エントランスホール
    (ヒューリックJP赤坂ビル)
  • 木製ルーバー
    (ヒューリック両国リバーセンター)

広める事例① : 木造建築シンポジウム2019の開催

木造建築物のさらなる可能性を広め、CO2削減や森林保全の一助となることを目的に木造建築シンポジウム2019を開催しました。当日は800人を超える参加者があり、基調講演やパネルディスカッションを通じて木造建築の可能性と課題について理解を深めるきっかけづくりとなりました。

基調講演

隈研吾氏
(建築家・東京大学教授)
コンクリートから木へ

日本は「木の世紀」のトップランナーになりえる
●20世紀はコンクリートの時代だったがコンクリートから木に空気が変わってきた
●日本の木の技術は世界一といえる

パネルディスカッション

隈 研吾 氏
(建築家・東京大学教授)

隅 修三 氏
(東京海上日動火災保険株式会社
相談役)


亀井忠夫 氏
(株式会社日建設計 代表取締役
社長)


宮下 正裕 氏
(株式会社竹中工務店 取締役会長)

福島 敦子 氏
(ジャーナリスト)
都市部における木材需要の拡大を目指して

●中高層木造建築の増加が地域活性化を促す
●地球環境と人間環境の問題を木造建築が改善する
隈 氏  ●「木造」は日本が世界でひっぱりだこになれる分野
隅 氏  ●日本の豊富な森林資源の活用が地方創生の柱になる
亀井 氏 ●高層木造建築の計画には木材の適材適所がキーポイント
宮下 氏 ●エンジニアリングウッドの技術革新が高層木造を支える
福島 氏 ●木は持続可能社会にふさわしい未来のための素材

  • (注) 職業・所属・肩書等は本シンポジウム開催時点

広める事例② : ウッド・チェンジ・ネットワークへの加盟

ウッド・チェンジ・ネットワークは、林野庁主催の⺠間建築物等における木材利用促進に向けた懇談会です。懇談会では⺠間非住宅建築物等における木材利用の促進に向け、課題の特定や解決方策、普及のあり方等について協議、検討を行い、木材が利用しやすい環境づくり、日本全国に木材利用を広げていくプラットフォームづくりに取り組んでいます。当社はこれに加盟し、継続した木材利用の促進活動を行っていきます。

植える事例① : 使用量と同量の植林

当社は、耐火木造建築で使用した建材のもととなる立木と同量の伐採・植林・下刈りを行う活動を、森林組合に業務委託しながら行っています。2021年10月竣工予定の耐火木造(木造と鉄骨造を組み合わせたハイブリッド構造)の商業施設(銀座8丁目計画)では、約300m3の木材を使用する予定です。これに対し、約12,000本の杉の苗木を、面積にして約4.3ヘクタールに植林(新植)しました。今後の5年間は植林した杉の苗木が健やかに育つように下刈りを実施していきます。

  • 2021年春に新植した杉の幼木
    (福島県)
  • 2021年春に新植した山の様子
    (福島県)
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